一方で、ランニングコストに目を向けると、これは圧倒的に建築設備の関与する割合が高くなります。 ランニングコストにかかわる設備機器やシステムの選定は、すべて設備設計の範疇です。 また、断熱などの部位を設計するのは建築士ですが、その計算(空調負荷計算等)をするのはすべ て設備設計なのです。
建物のデザイン性とは別に、その建物を使用し始めてから居住者や管理者は様々な問題に直面します。 ほとんどは設計時に施主側が考慮しきれなかった項目です。そして、その中には設備設計の範疇に含まれる項目が極めて多いのではないでしょうか。 したがって、設計の基本段階から意匠、構造および設備の設計者が参画して十分な検討をする必要があります。 建築の設計図がほとんど終了した段階で、そこに付け足していくような設備設計では、建物全体の利便性を大きく損なうことにもなりかねません。